映画「恋のしずく」を応援する会 設立趣意書
日本酒は日本の「國酒」の代表であり、日本の気候風土、日本人の忍耐強さや繊細さを象徴した「日本の食文化のシンボル」と言えます。その日本酒、そして酒造りを主たる素材とした瀬木直貴監督の劇場用長編映画「恋のしずく」は、東広島を舞台にした日本酒と酒造りの周りに立ち現れる、「恋」「友情」「親子愛」を描いた人情活劇です。
この映画の主な舞台となる東広島は、明治の中頃、西条に程近い安芸津の酒造家・三浦仙三郎が生み出した軟水による酒醸造法を基に、酒造りに適した気候と相俟って、大正・昭和の初めに「酒都西条」と呼ばれる一大銘醸地になりました。今も各蔵では最高級の吟醸酒や純米酒が造られ、平成7年に閣議決定を受けて東京から移転してきたわが国唯一の酒類の研究機関である酒類総合研究所(平成27年に東京事務所も統合)では毎年全国の日本酒の審査会が行われ、秋には2日間で20万人以上を集客するお酒のお祭り「酒まつり」がJR西条駅周辺で開催されているのはご存じのとおりです。
私たちは、昨年から瀬木監督と交流を重ねてきました。その過程で、日本酒で培われてきた文化が東広島には確かに存在し、それが東広島らしさを、そして何よりも東広島の魅力を醸し出してきたことを再認識しました。そして、この映画を成功へと導くことが東広島の様々な文化、素晴らしい自然や風土を全国に発信し、同時に地域住民のアイデンティティー構築に寄与し、ひいては次代へ引き継ぐ文化的遺産の一つになると判断いたしました。
この映画では、製作のための準備から完成までの間、その時々に地域の年代を越えた多くの皆さんにボランティアやサポーターとして、時には出演者として様々な形で参加していただくことになります。世代間交流が可能なことはもちろんですが、一定の経済波及効果も見込めることから、この映画に関わる皆さんと共に、他の市町に誇れる地域文化としての醸造文化、日本酒文化をベースとした一つの物語を一緒につくり上げ、東広島地域の活性化に役立ちたいという思いでいっぱいです。
つきましては、この映画を成功させるため、一人でも多くの皆さまのご賛同とご協力を賜りたく、ここに、『映画「恋のしずく」を応援する会』を立ち上げる次第でございます。東広島のさらなるにぎわい創出には、この地の顔である日本酒を題材にしたこの映画が東広島を全国にアピールする力強いツールとなり、東広島の新たな未来、新たな魅力を創り出していく原動力に間違いなくつながると確信いたしております。
映画「恋のしずく」を応援する会
構成団体: (公社)東広島市観光協会、東広島市、東広島商工会議所、西条酒造協会、(一社)東広島青年会議所