中の峠隧道なかのたおずいどう
ノミ一本から始まった 地域の悲願のトンネル
中の峠随道は、全長327mに及ぶ水路トンネルです。南側の隧道口の鉄筋コンクリート造のアーチ坑口です。当時、干ばつに悩まされていた現西条町郷曽の柏原地区(かしょうばら)に住んでいた沖田嘉市(おきたかいち)が、柏原にある水の少ない深道池(ふかどういけ)というため池に、岩山の向こうを流れる小田山川の水を引いてくるしかないと考え、1927(昭和2)年3月、一人で岩山にトンネルを掘りはじめ、やがて村中の人たちが手伝うようになり、1930(昭和5)年頃、ついに完成しました。坑口のアーチを石積みやレンガ積みで行うことが主流であった当時、戦後に普及するコンクリート工法を早くから採用し、意匠としても珍しいものです。
当初建設された径間長約0.7mの鉄筋コンクリート造欠円アーチからなる南坑口に、落盤防止のため1943(昭和18)年 長さ約3.8mのRC造箱型坑道が延長されました。国の登録有形文化財です。
※写真提供:東広島市教育委員会
■ 基本情報 ■
住所 |
東広島市西条町郷曽柏原 |
電話番号 |
082-420-0977(東広島市教育委員会 生涯学習部 文化課) |
アクセス |
西条ICから車で約35分 |
駐車場 |
なし
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